EMT MDS Gateway

WHO国際標準の樹立

  • 2016年に発生した熊本地震におけるJ-SPEEDの実績は国際的にも大きな注目を集め、WHOは専門ワーキンググループを設置してJ-SPEED方式に基づきEmergency Medical Team Minimum Data Set (MDS)を開発しました。同ワーキンググループ会合は、JICAとイスラエル外務省による支援を受けて開催され、議長は我が国の国際緊急援助隊医療チームの登録者がつとめました。その検討においては、災害対応大国である我が国が蓄積してきた災害医療分野の関係知見が惜しみなく供出されました。また、国際合意形成のためにWHO, IFRC、ICRC, MSF , UK-MED, AUSMAT, BFAST等々の関係組織から招聘された災害医療・緊急援助のトッププロによる激論をまとめあげられたのも、事務局機能を果たした日本人チームによる論点整理と緻密かつ膨大な編纂作業があってこそのことでした。J-SPEEDによる国内実対応経験をもとに日本のチームが主導した検討を経て、2017年2月、WHOのEMT戦略諮問委員会は満場一致でMDSを新しい国際標準として採択しました。

  • その後、MDSは様々な国際訓練で活用され、このなかでも日本の災害医療関係者が大きな枠割を果たしてきています。

  • 2019年3月、モザンビークにおけるサイクロンIdaiにおいてMDSが世界初稼働されました。稼働を支えたのは日本の国際緊急援助隊専門家チームによる技術支援で、そこで発揮されているのは東日本大震災を契機にフィリピンの災害時サーベイランスシステムSPEEDを参考にして開発され、熊本地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震で実用され磨かれてきたJ-SPEEDの技術知見でした。我が国が確立した技術がWHO国際標準として世界の災害現場に届き、モザンビークで被災者救援に役立てられています。

  • 世界中の災害医療現場がデータに基づいてコーディネーションされる時代が始まりました。そして我が国には、日本発WHO新国際標準MDSの国際実装を牽引する役割が強く期待されています。

*MDS関係の問い合わせに対応するため、2018年10月に以下のページ(英文)を設置しました。

(簡易和訳)

目的

WHO国際標準 Emergency Medical Team Minimum Data Set (MDS)に関する情報発信


標準様式

WHO EMT MDS ver1.0

  1. MDS tick-box (Example)(災害医療チームが利用するカルテ等の診療記録様式)

  2. Tally Sheet(災害医療チームが利用する集計表)

  3. Daily Report(診療日報)

  4. Feedback(統合集計・フィードバック様式)

Definitions(定義)


教育・訓練

標準教育資料

  1. Brief Instruction (簡易説明)

  2. SIMEX Excon Guide (国際訓練コントローラ用資料)


ご意見

こちら よりお寄せください。

お問い合わせ先:Tatsuhiko Kubo MD. PhD. WHO EMT MDS Working GroupJDR MDS Dissemination Supporting UnitUniversity of Hiroshima