災害診療記録2018(精神保健医療版)*精神保健医療支援でDPAT等が利用
J-SPEED2018(精神保健医療版)*精神保健医療支援でDPAT等が利用
広島県災害診療記録/J-SPEED運用促進事業成果動画資料
①【動画】意義・運用概論
②【動画】本部による災害診療記録/J-SPEEDの立ち上げ
③【動画】救護班による現場での入力
④【動画】本部によるデータを活用した本部運営
本サイトは「災害時の診療録のあり方に関する合同委員会」が提唱する災害診療記録及び災害時診療概況報告システムJ-SPEED に関する情報を広く提供することを目的として製作されています。
■災害時の診療録のあり方に関する合同委員会
構成団体:日本医師会・日本災害医学会・日本救急医学会・日本診療情報管理学会・日本病院会・日本精神科病院協会・国際協力機構
災害時、被災地においてはあらゆるニーズが増大します。一方でそのニーズに本来対応する地元関係機関も被災することにより平時の情報収集経路が途絶し、ニーズ情報は潜在化してしまいます。この際、被災地には多数の支援チームが駆けつけます。この外来チームは自己完結を旨とし報告の能力/余力を保有しています。一方、従来、支援チームが用いる日報様式が各団体毎にばらばらであったため、その報告能力を活かしきれていませんでした。
この状況に対処するために、フィリピン国保健省とWHOが共同開発したSPEED(Surveillance in Post Extreme Emergencies and Disasters )という報告手法をモデルに、我が国で開発されたのが日本版SPEED(J-SPEED)です。
災害医療チームはJ-SPEED診療日報様式を利用することで、どこで・どのような患者を・何人診療したかを簡単に本部報告することができます。これにより本部は被災地の医療ニーズの分布と推移を把握できるようになります。
J-SPEEDは熊本地震(2016年)において初めて大規模稼働し、本部による状況把握と保健医療調整に貢献しました。
フィリピンに加えて日本でも役立ったという実績を受けて、世界保健機関WHOはJ-SPEEDをベースにMDS(Minimum Data Set)という手法を開発し、2017年2月に国際標準として採用しました。
2019年にモザンビークで発生したサイクロン災害において、モザンビーク保健省はMDSを国際初稼働しました。
フィリピン生まれ、日本育ちのWHO国際標準が、世界中の災害現場をデータに基づいて医療調整可能な姿に変革しつつあります。
我が国には、WHO国際標準MDSの樹立をリードした災害対応先進国として関係国際動向もリードする先進的な発展が期待されているます。
災害システムであるJ-SPEEDは紙様式による運用が可能な設計がなされていることが大変重要な特徴です。電気も通信回線もない環境でも実用できる仕組みであることにこそ、J-SPEEDの真価があります。
一方、同紙様式は電子化を前提としてデザインされています。電子運用には即時集計や遠隔報告など、多大なメリットがあります。
電子運用の必要性と効果的なあり方を明らかにしたのは、熊本地震での現場対応でした。同震災においては、本部におけるデータ処理作業の増大が課題となりました。そしてその対処は「一部電子化」(データを登録するウェブサイトが立ち上げられた)と「解析にあたる人材追加確保」(現地本部からの要請を受けて産業医科大学の疫学者らが北九州市から解析支援にあたった)によってなされました。すなわち、J-SPEEDの電子化にあたっては電子システム開発と、J-SPEEDデータの解析能力を有する人材の育成を、セットで推進すべきということが理解されました。
開発において一貫して目指されてきたのは、「災害時の診療録のあり方に関する合同委員会」が目指す災害医療の姿(全災害医療関係者が派遣元団体等の枠組みを越えて標準様式を用いるオールジャパン体制の実現)です。電子化は目的ではありません。被災地医療活動において関係者が協同しやすい環境を構築し、もって被災傷病者に必要な医療を継続的かつ効率的に、より迅速に提供することが電子システム開発の本旨です。
J-SPEED電子システムの研究開発は産業医科大学が中心となって2015年に開始され、「災害時の診療録のあり方に関する合同委員会」による推奨を受けて公開されています。
電子システムの必要性を決定づけたのは、DPAT(災害派遣精神医療チーム)による精神保健医療版J-SPEEDの開発でした。合同委員会による採択を経て、現在、我が国には従来からの一般診療版と精神保健医療版の2つのJ-SPEEDが稼働しています。そして、その結果は心身一体の統合報告書にまとめられることとなりました。複数のJ-SPEEDのリアルタイム集計には電子システムによる情報処理支援が不可欠です。
2018年4月、DPAT(災害派遣精神医療チーム)による採用を受けてJ-SPEED 電子システム(J-SPEED+)の公式運用(厚生労働省委託事業)が開始されました。
2018年7月に発生した西日本豪雨では、同システムが初稼働されました。DPATが整備した電子システムには緊急処置としてDMAT・JMAT・日赤等のJ-SPEEDデータも集約され、被災地における医療ニーズの全体像とその推移の即時集計・可視化が実現されました。派遣元組織のみならず、身体医療と精神医療という専門領域さえも超えたオールジャパン体制での統合的情報運用が実現されたのです。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震においてよりスムーズな運用がなされました。これらの対応を通じて、東日本大震災、熊本地震の教訓化は一定程度、しかし確かに果たされました。
J-SPEED+の訓練利用方法については、訓練サイト(J-SPEED+(教育用)利用手順)を参照してください。
J-SPEED+の開発にはデザイナーが参加しており、アプリ開発においてはグラフィックレコーディングやリアルタイム・ワイヤーフレーミングによるUXの構造化等のデザイン的アプローチが駆使されました。2018年10月、J-SPEED+はグッドデザイン賞 を受賞しました。
次なる大規模災害対応に向けて、所属組織の別を超えた全災害医療関係者によるオールジャパン体制での更なる関係能力強化が強く期待されています。
被災自治体が設置する保健医療調整本部等からの要請に応じて、作業環境の整った被災地外(オフサイト)からJ-SPEEDの集計・解析等を支援する専門チームを設置しています。
同チームを活用することで、被災地での集計負担が外だしされるのみならず、データ解析のスピードと質が向上し、もって保健医療調整本部等によるデータに基づく調整活動が実現可能になると期待されます。
同チームは熊本地震のおいて同様の活動に従事したメンバーと、研修を受けて検定に合格したメンバーによって構成されています。診療情報管理士や疫学者等、平時から専門職としてヘルスデータの管理・解析にあたっているメンバーが多いことが特徴です。
依頼先: J-SPEEDオフサイト解析支援チーム事務局(産業医科大学内)
専用FAX番号: 020-4622-0929
メール: data【アットマークに置き換えてください】j-speed.org
依頼様式:J-SPEED送信票
2016年に発生した熊本地震におけるJ-SPEEDの実績は国際的にも大きな注目を集め、WHOは専門ワーキンググループを設置してJ-SPEED方式に基づきEmergency Medical Team Minimum Data Set (MDS)を開発しました。同ワーキンググループ会合は、JICAとイスラエル外務省による支援を受けて開催され、議長は我が国の国際緊急援助隊医療チームの登録者がつとめました。その検討においては、災害対応大国である我が国が蓄積してきた災害医療分野の関係知見が惜しみなく供出されました。また、国際合意形成のためにWHO, IFRC、ICRC, MSF , UK-MED, AUSMAT, BFAST等々の関係組織から招聘された災害医療・緊急援助のトッププロによる激論をまとめあげられたのも、事務局機能を果たした日本人チームによる論点整理と緻密かつ膨大な編纂作業があってこそのことでした。J-SPEEDによる国内実対応経験をもとに日本のチームが主導した検討を経て、2017年2月、WHOのEMT戦略諮問委員会は満場一致でMDSを新しい国際標準として採択しました。
その後、MDSは様々な国際訓練で活用され、このなかでも日本の災害医療関係者が大きな枠割を果たしています。WHOは現在、電子化への展開も見据えた検討を再開する方針で、その全体像は2018年6月にバンコクで開催されるEMT Global Meetingで発表される見通しです。
2019年3月、モザンビークにおけるサイクロンIdaiによる大災害への国際救援が進む中、モザンビーク保健省によって日本発WHO国際標準MDSが世界初稼働されました。累計14,178 件の診療データが収集されデータに基づく災害医療調整が実現されました。稼働を支えたのは日本の国際緊急援助隊専門家チームによる技術支援で、そこで発揮されているのは東日本大震災を契機にフィリピンの災害時サーベイランスシステムSPEEDを参考にして開発され、熊本地震、西日本豪雨、北海道胆振東部地震で実用され磨かれてきたJ-SPEEDの技術知見です。我が国が確立した技術がWHO国際標準として世界の災害現場に届き、モザンビークで被災者救援に役立てられています。
世界中の災害医療現場がデータに基づいてコーディネーションされる時代が始まりました。そして我が国には、日本発WHO新国際標準MDSの国際実装を牽引する役割が強く期待されています。
*MDS関係の問い合わせに対応するため、2018年10月に以下のページ(英文)を設置しました。
■ 国内稼働 計11事案(日本)
2016 日本 熊本地震 地震
2017 日本 九州北部豪雨 豪雨
2018 日本 西日本豪雨 豪雨
2018 日本 北海道胆振東部地震 地震
2019 日本 令和元年台風15号 台風
2019 日本 令和元年台風19号 台風
2020 日本 ダイヤモンドプリンセス号COVID-19 感染症
2020 日本 広島県新型コロナウイルス感染症対応 感染症
2020 日本 熊本豪雨 豪雨
2021 日本 熱海市伊豆山地区土石流 土砂災害
2024 日本 能登半島地震 地震
■ 海外稼働 計19事案(17カ国・地域)
2019 モザンビーク サイクロン・イダイ 台風
2019 サモア 麻疹アウトブレイク 感染症
2020 バヌアツ サイクロン・ハロルド 台風
2020 フィリピン 台風ゴニ
2021 フィリピン 台風ライ
2022 マダガスカル サイクロン・バツィライ
2022 モルドバ ウクライナ人道危機 武力紛争
2022 ウクライナ ウクライナ武力紛争対応 武力紛争
2022 ポーランド ウクライナ人道危機 武力紛争
2023 トルコ トルコ・シリア大地震 地震
2023 マラウィ サイクロン・フレディ 台風
2023 リビア ストーム・ダニエル 豪雨
2024 ウガンダ 麻疹アウトブレイク 感染症
2024 バヌアツ ポートビラ地震 地震
2024 ブルネイ 大規模集会
2025 ガザ地区 ガザ地区武力紛争対応 武力紛争
2025 ミャンマー マンダレー地震
2025 スリランカ サイクロン・ディトワ
2025 スーダン 複合人道危機
■ 国内
2016 日本 G7伊勢志摩サミット
2019 日本 G20大阪サミット
2021 日本 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
2022 日本 福岡地域救急医療版J-SPEED
2023 日本 G7広島サミット
2024 日本 呉市母子保健事業(新生児訪問)
■ 海外
2023 ウズベキスタン 病院救急部門 (UZ-SPEED)
2024 ウズベキスタン NCDスクリーニング (UZ-SPEED)
2026 モンゴル 自殺対策匿名電話支援 (M-SPEED)
・厚生労働省(DPAT事務局)
平成30年度 社会・援護局障害保健福祉部
DPAT事務局事業に係る業務一式
*DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team:災害派遣精神医療チーム)
・厚生労働省(国立病院機構)
平成28年度 厚生労働省医政局 第二次補正予算
医政局 医療経営支援課 国立病院機構管理室
電子カルテによる「災害診療記録」電子フォーマット自動出力実証事業
・総務省
「IoT/BD/AI情報通信プラットフォーム」社会実装推進事業
課題I 最先端の自然言語処理技術を活用した高度自然言語処理プラットフォームの研究開発
・内閣府
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」
・WHO
世界保健機関健康開発総合研究センター(WHO神戸センター・WKC: K18003)
災害診療記録報告書 (日本診療情報管理学会HP)
「大規模災害時の保健医療福祉活動に係る体制の整備について」(令和4年7月22日 科発0722第2号大臣官房厚生科学課長他連名通知 )(別添3) (厚生労働省)
「人」明日へのストーリー フィリピン生まれ日本育ちの国際標準ツールの挑戦(JICA九州)(2019-10-01)
緊急医療の現場を変えるMDS(mundi 2019年11月号)(JICA)(2019-11-01)
災害医療をデータ化する ―J-SPEED/MDS日本発WHO国際標準の国際戦略―, 平和政策研究所 政策オピニオン (2022-01-12)
現地レポート ウクライナ避難民支援に日本の震災経験が活きる(JICA)(2022-04-22)
緊急医療の現場を変えるMDS 救援の最前線、国際緊急援助隊(JDR)(JICA)(2024.11.01)
中原 圭奈子, 弓屋 結, 田治 明宏, 久保 達彦, 災害診療記録/J-SPEEDの紹介, 日本災害医学会雑誌 27(1) 96-101 (2022)(全文掲載)
災害時診療概況報告システムJ-SPEEDの技術特性 健康開発 23(2) 39-45 (2018) (全文掲載)
災害診療記録/J-SPEED─東日本大震災・熊本地震の教訓の国内実装・国際共有に向けて プレホスピタル・ケア 31(2) 64-68 (2018)
難民を対象とした診療概況の迅速可視化手法-難民版J-SPEED 公衆衛生情報 22-23(2018)
災害時診療概況報告システムJ-SPEEDの運用が被災地行政官の健康に寄与するメカニズム (特集 熊本地震 被災地の安全と健康 : 取り組み経験と課題) 労働の科学 72(3) 132-136 (2017)
災害時健康情報の実践的集計報告システムJ-SPEEDの開発 日本集団災害医学会誌 19(2), 190-197 (2014)
「目指すは医療のワンチーム。災害対応大国ニッポンで生まれた底力とは」(wisdom)(2019-12-04)
加藤厚労大臣に災害対策など3点に関する要望書を提出(日医on-line)(2019-12-05)
「 緊急援助・復興・防災 自然災害にともに立ち向かう」緊急医療を変えるMDS (JICA mundi 2019年11月号)(2019-11-01)
「人」明日へのストーリー フィリピン生まれ日本育ちの国際標準ツールの挑戦(JICA九州)(2019-10-01)
人の命を救うコミュニケーションをデザインする (東芝デザインセンター)(2018-11-29)
2018年度グッドデザイン賞 GOOD DESIGN BEST 100(公益財団法人日本デザイン振興会 )(2018-10-03)
西日本豪雨・市民への緊急メッセージ ー解説資料(防災学術連携体 幹事会)(2018-07-16)
倉敷の被災地医療支援へ官民結束 「クラドロ」避難所で夜間診療も(山陽新聞)(2018-07-17)
西日本豪雨災害 先遣隊報告7/15(日) (日本災害看護学会) (2018-07-15)
災害医療の現況を迅速把握新システム、熊本で運用次に備え周知目指す(共同通信)(2016-06-21)
災害時の標準診療記録を公開(m3.com臨床ダイジェスト)(2015-06-18)
2019-03-01 災害診療記録2018様式を掲載しました。
2018-12-31 文献情報を追加しました。
2018-11-15 訓練専用ページを設置しました。
2018-09-30 WHO国際標準MDS関係情報を追加しました。
2018-08-31 教育資料を追加しました。
2018-04-29 主な採択事業を追加しました。
2018-04-28 厚生労働科学研究費補助金 長寿科学政策研究事業(H29-長寿-一般-001) に関するページを追加しました。
2018-04-26 FAQを追加しました。
2018-04-12 トップページをリニューアルしました。ブックマークをhttps://www.j-speed.org/に更新してください。
2017-04-01 本ホームページを公開しました。
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